任意売却?競売? どう違うのか。

住宅ローンの滞納が続くと、銀行側から
「担保不動産手続きへの着手」  →競売
「任意売却による処分のお勧め」 →任売
などの書類が届きます。そうなってしまうと取れる手段は限られてしまいます。

実際に競売と任意売却の違いは一体どこにあるのでしょうか。

任意売却は競売と似ていると思う方も多いようですが、両者には大きく異なる点が大きく2つあります。1つ目は強制力の有無、2つ目は物件の売却額の決め方です。

競売の場合は、なんらかの事情により債務者が毎月のローンを支払えなくなると、保証会社が債権者の代わりに弁済を行います。その後保証会社から債務者の元に一括弁済の請求がなされ、支払いがなされなければ債権者が裁判所に申立を行い申請が受理されると、競売手続きが開始されます。
さらに物件の売却額は、裁判所の執行官と不動産鑑定士が物件の調査を行い、最終的に評価価格を決定します。その際に債権者や物件の所有者の意向は考慮されることなく、評価価格を基にして最終的に裁判所が売却基準価格を決定することになるのです。
他方、任意売却には法的な強制力はなく、通常の不動産売買と同じように債務者自身の意思で売却することになります。物件を明け渡す時期も自分で決めることができることから、時間的に余裕を持って退去の準備を進めることができます。
競売では一括でのローン返済が求められますが、任意売却の場合は残債を分割で返済することも可能です。任意売却の方が競売と比べて債務者にメリットのある手段だと言えるでしょう。



任意売却
1.市場の相場価格で売却できるので、競売より高く売ることができる。
2.ご近所に詳しい事情を知られる可能性が低い。
3.今までの経験でいうと、残った借入について金融機関との交渉でかなり無理のない返済にできる。
4.通常の売物件と同じように売却できるので、引渡し時期(売主様が引っ越す時期)などを少しは柔軟に対応できる。
5.競売よりは高額で売ることができるので、残債によっては余剰資金が手に入る可能性がある。


競売
1.相場で入札されることが少ないので、任意売却よりも多くの債務(借金)が残る。
2.落札者から強制的に退去させられることがある。
3.当社の場合であれば、これからの引っ越し先、任意売却後の残債の交渉などをどのような形になるのかなど、相談できる相手 があること。
4.競売物件として新聞、インターネットなどに公開されるので、外観、家の中の写真など公開されてご近所に知られるなど、精神的な負担が家族全員に大きくなる。