住宅省エネ2023キャンペーンはじまります。

住宅省エネ2023キャンペーン」は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援する新たに創設された3つの補助事業の総称です。

住宅の省エネ・脱炭素について

世界での気候変動に対する動き

「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない!」
近年の研究ではこう断言されています。
産業革命の頃より世界の平均気温は1℃程上昇したとされています。こうした中、世界各国は2015年にパリ協定において

『世界の平均気温の上昇を、産業革命以前に比べて2℃より十分に低く保ちつつ(2℃目標)、1.5℃に抑える努力は追及する(1.5℃努力目標)』

に合意しました。
気温上昇を約1.5℃に抑えるためには2050年前後にはCO2排出量を正味ゼロにする必要がるとされ、各国その目標達成に向け取り組みを加速させています。

温暖化に伴う極端現象の変化

日本での気候変動における影響と目標

気候変動の影響は、自然災害など様々な形で私たちの生活に影響を及ぼし、その影響を日々実感するまでに至っています。

水環境・水資源、自然災害・沿岸域大雨の発生頻度の上昇、広域化により、土砂災害の発生頻度増加
自然生態系夏期の高水温による珊瑚の大規模な白化
健康熱中症による搬送者数、死亡者数が増加(2018年に1500名死亡)ヒトスジシマカ(デング熱を媒介)等の感染症媒介生物の生息域が拡大
農林水産業コメの収量・品質低下(一等米比率の低下等)回遊性魚類の分布域が変化(スルメイカ、サンマの漁場縮小等)
産業・経済活動、国民生活・都市生活災害保険金の支払増加による保険会社の経営への影響農作物の品質悪化等による食料品製造業への悪影響スキー場での積雪不足等によるレジャー産業への悪影響気候変動による紛争リスク等、安全保障への影響


我が国は地球温暖化対策の取組を加速させるため、 2020年に 「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2021年には「2030年度(2013年比)46%減、さらに50%の高みに向けて挑戦」という新たな目標を掲げました。

家庭の省エネ化に向けた取組

私たちの日常生活での消費エネルギーは、この半世紀の間に約1.8培に増加しています。しかし、現行の省エネ基準を満たす住宅は僅か1割程度にとどまっています。このことに可能性を見出し、脱炭素社会の現実に向けて『家庭内エネルギー消費66.0%削減(2013年度比)」を盛り込んだ2030年度の排出削減目標をかかげました。

1965年度から比べて2020年度にはエネルギー消費量は1.8倍に増加。
2030年度に家庭部門におけるCO2排出量66%削減(2013年度)という大きな目標に向けて、その排出量の約5割を占める「冷暖房」と「給湯」について重点的に取り組む必要があります。

冷暖房の省エネ取組

暖房は、特に多くのエネルギーを消費し、ガスや灯油など使用する燃料の影響もあり、大きなCO2を排出します。四季の温度差の激しい日本では、寒冷地はもちろん全国で冷房よりも暖房により大きなCO2を排出します。​

冷暖房によるCO2の排出削減には、住宅の断熱性能を高め、暖房時は、家の中の暖めた空気と熱を外に逃がさない、冷房時は、外の熱い空気や熱を家の中に入れないことが有効です。
中でも、開口部(窓、ドア)における熱の流失入は住宅全体の6~7割に及ぶとされ、壁や屋根に比べても大きな割合を占めます。

現在、日本の住宅における開口部の7割は流出量の多い「アルミサッシ+単層ガラス」の組み合わせになっており、これらを高断熱の「樹脂サッシ+複層ガラス」に交換することで冷暖房のCO2排出削減に貢献することが出来ます。

本キャンペーンでは省エネ基準を満たす、幅広い窓やガラスを対象に補助を行います。特に断熱性能が高い窓製品は、先進的窓リノベ事業により高い補助を受けることができます。

もっと省エネ! こどもエコ対象

・外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 ・ドアの交換

給湯の省エネ取組

石油やガスに対する依存率の高い給湯器は、地域に寄らず家庭部門の大きなCO2排出割合を占めます。(図2参照)

給湯器のCO2の削減には、古い給湯器から高効率給湯器への交換が有効ですが、省エネ効果の低い古いタイプの石油やガス給湯器は安価で故障が少なく、なかなか高価な高効率給湯器に交換が進んでいない状況があります。

家庭用燃料電池
(エネファーム)
ガスから水素を取り出し、
空気中の酸素と化学反応させて電気を作り、
その時に発生する熱でお湯も沸かす仕組みです。
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式
併用型給湯器
(ハイブリッド給湯機)
エコキュートとエコジョーズを組み合わせて、
必要量のお湯を沸かす仕組みです。
使用量に対して湯量を最適化することで、
電力とガスの無駄を省きます。
ヒートポンプ給湯機
(エコキュート)
ガスや灯油を使用せず、
電気の力で熱交換機の冷媒を圧縮し、
高温になった冷媒でお湯を沸かす仕組みです。
深夜電力や太陽光発電の電気を利用することで、
電力を有効に利用します。
潜熱回収型ガス給湯器
(エコジョーズ)
ガスでお湯を沸かす際に出る排熱を利用し、
あらかじめ水を温めることにより、
お湯を沸かすガス量を減らす仕組みです。
潜熱回収型石油給湯機
(エコフィール)
灯油でお湯を沸かす際に出る排熱を利用し、
あらかじめ水を温めることにより、
お湯を沸かすガス量を減らす仕組みです。
高効率給湯器の種類

現状の古い給湯器を見直し、高効率給湯器に交換することでCO2排出の削減に貢献することができます。
本キャンペーンでは、上表の高効率給湯器を対象に補助を行います。
特に省エネ性能の高い製品(◎)は、給湯省エネ事業により高い補助を受けることができます。

もっと省エネ! こどもエコ

・太陽熱利用システム ・高断熱浴槽 ・節湯水栓

省エネがもたらす、生活への恩恵

住宅省エネ化はカーボンニュートラルへの貢献だけではなく、自分たちの生活にも大きな恩恵を受けることが出来ます。

光熱費の削減

エネルギー消費の少ない省エネ住宅は、当然光熱費が安くなります。10年、20年と住み続けていくうちに、その差はどんどん広がっていくので、早めのリフォームが断然お得です。

エネルギー価格高騰への対応

昨今の国際エネルギー市場の混乱や国際的な供給不安による、エネルギー価格の高騰への対策も必要です。
危機に強いエネルギー供給体制の構築に向けて、家庭部門の省エネ化をより進めることが重要です。

結露を減らし、カビの発生を抑えます

結露は、家の中の温度と外気の温度差が原因で発生します。高断熱の窓やドアは熱を伝えにくいため、サッシやガラスが冷たくなりにくく、結露の発生を抑えます。
結露は、サッシ周りのカビの発生の原因になるだけではなく、木造住宅の木材を腐らせる原因にもなります。窓やドアの交換は、家族の健康や住宅を長持ちさせることにも役立ちます。

「ヒートショック」等のリスク低減!断熱は健康面でもメリット​

冬季は高齢者による入浴事故リスクが増加する傾向にあり、高齢者の家庭内での溺死の死亡者数は高い水準で推移しています。
断熱リフォームで家の断熱性能を上げることで、部屋間の温度差をなくし家全体を暖かくすることで、健康面へのメリットも期待できます。